今朝の表題を読み、じっくりと読んで感じたことを皆様にご紹介したい。
堀ちえみさんは、2019年にステージ4の舌がんと診断されて大手術を受けた。
再建した舌は以前のように平たくなく、うまくくぼまない。発声も音程も前のようにコントロールできない。40年間積み重ねてきたものが全部なくなって、ゼロからやり直さなければならない。悔しいというよりも、むなしい、悲しい思いだったようだ。
でも、顎舌訓練や発声練習などのレッスンをすればするほど、少しずつだが、うまくなることもわかってきた。そしてユーチューブで、海外アーティストの舌の動きを見て、イメージトレーニングをしたそうだ。
また自分の過去映像を見てもイメージトレーニングを続けるうち、少しずつ舌の動きはよくなったみたいだ。
そこから彼女は、こんな学びを得た。
「できないことが多いということは、頑張ればできることが多いということ」、発想を変えることが大事である。
結果、歌うという目標ができ、マイナス思考から少しずつ脱却できた。
復帰への大きなきっかけは、次女(21)さんのこんな言葉だった。
「お母さんどうするつもり?しゃべり方が恥ずかしくないんだったら復帰したほうがいいと思うよ」
これを聞いて「私、恥ずかしかったんだ」と気づいた。以前と違う自分をさらけ出すのが怖いんだと。すっかり元の話し方には戻らないのに、元の自分に近づけることが大事だと思っていたんです、とあった。
「恥ずかしいから、とこの先ずっと引っ込んで暮らしていくのか」自問自答するうち、依頼いただいていたテレビ番組に出てみようという気持ちになったようだ。
そして過去の自分の歌を聞いて「前はこうだったのに」と嘆くのはやめ、新しく生まれ変わったつもりになると、こわばっていた体も心も開けていったというか、声も出るようになってきたみたいだ。
次の文章を読んで、私は衝撃を受けた。
「失った物を数えるよりも、新たに得た物を見るように、しました」
これが彼女の副題『発想転換』ということ。
失った物を数えるのは、よくしてしまうこと。しかしそれで終わって、どんどん落ち込んで墓穴を掘るになる。そうならないためには、彼女のように『発想転換』することで、暗転から光が差し込むのがわかった。ぜひともこれを身につけたいと切望した。
彼女が復帰できたのは、ご家族の彼女に対する接し方も大いに関係している。
ご主人や次女さんを初めお子さんたちは、「手放すのはいつでもできる。やってみたら」と声掛けし続け、いつも客観的に助言してくれたそうだ。
そのことを彼女はこう締めくくっている。
外へ行く勇気を家族にもらい、家族の力によって殻に閉じこもらず、仕事にも復帰できたと感謝しています。
皆様は、堀ちえみさんの話を読まれて、どう思われましたか?
これから生き続けていく指針の参考になれば幸いです。