思いの丈☆宅配便

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早霧せいなさんのおやじのせなか

 普通の人生を進んで欲しいと望むお父さんとスポットライトを浴びて舞台に立ちたいと宝塚を夢見る娘。

どちらの気持ちも分かる。そこを読み深める中、宝塚歌劇団に入団して、公演を見てくれる迄になったお父さんの変化を知る。

 早霧せいなさんの秀悦なのは、大劇場お披露目公演で演じた「ルパン三世」についての感想だ。

『「ルパン三世」というコミカルな役をやりました。この役ができたのは、父のおかげだなと思います。見た目はこわもてな父ですが、身近な人にはお話し好きで、ひょうきん。冗談をよく言う父のおかげで、よく家族の中で笑いが起きました』

 父のおかげ、ということが分かるのが、素晴らしい。きっとお顔も似ていらっしゃるのだろう。

そして、更に拍手をしてしまったのが、ここだ。

『今も、父と話をする時間がとても心地良いです。父も私と2人で話をするのを心待ちにしてくれていると母から聞き、母がわざと席を外してくれることもあります。そんな父と母との役割分担で、今の私があると思います』

 なかなかお嬢さんに会えないのはお母さんも同じなのに、わざと席を外すことが出来るのは、出来た方だなあと思った。

 清々しい気持ちが込み上げた文章だった。