思いの丈☆宅配便

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髪を伸ばした兄の決意とその家族

 新聞一面の左端記事とその続き望む31面に、釘付けになる。

 それは、ヘアードネーションをする為に、2年間髪を伸ばし続けて、卒業式を控えた2月28日に切った大呂遼平君(12)のことだ。

 最初は、遼平君のことを書こうとしたのだが、その家族と加えた理由を記したい。

 遼平君には、4歳下の双子の妹、結以子ちゃんと理紗子ちゃんがいる。理紗子ちゃんは、2歳の時に「先天性角化不全症」と診断された。さまざまな合併症が起きやすく、両面は5回も手術を受けたそうだ。

発達の遅れもあり、小学校の特別支援学級に通っていた理紗子ちゃんは一昨年、秋の運動会で玉入れやダンスを楽しんだ直後、高熱が数週間続き、地元の病院に入院。骨髄移植をした九州大学病院に転院した後、脳に膿が見つかって研究手術し、死の淵をさまよった。数日後に意識は戻ったが、右手足に麻痺が残った。その後も血中酸素濃度が低下して続け、酸素マスクが手放せなくなった。医師は両親に告げた。「週末期医療として最期を穏やかに過ごすか、肺移植するしかない」

それまで、病院には父の興平さんと母の紗智子さんどちらかが付き添い、もう一人は大分市の自宅で遼平君と結以子ちゃんの面倒を見ていた。

 これ以上入れると長くなるので、それからを記すと、こうなる。

理紗子ちゃんの右肺は、パパ、左肺は、ママの肺がそれぞれ移植された。

髪を切った遼平君、こう結んだ。

『髪を伸ばし続けた2年間、「女の子みたい」とバカにされたこともあった。好きで難病になったわけではない妹も、こんな視線を浴びてきたのかもしれない。遼平君は今、こう思う。「違うことは短所に見えるかもしれないけど、長所にもなる。つらい思いをした人は、人に優しくなれるんじゃないのかな」

 

 12歳で、遼平君は、優しい人とはどんな人なのかを学び、悟っている。

正しく経験値は、人の値打ちの高さだ。

いくつになっても分からない人は、学びの少なさか、もしくは、神様が、その人の理解度に合わせての経験しか与えないのか、だ。後者が本音かも。

 遼平君は、いい大人になるよ、きっと。

彼の二十歳の言葉を聞きたいと思った。

 そして、理紗子ちゃんのこれからのことを、教えてほしいと切に思った。

皆様は、いかがですか。