思いの丈☆宅配便

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忘れられない人

もう、3年位前になるかな。
休憩に立ち寄ったお店で、見たことある人の横顔が隣にあった。
彼は私に気付いていない。
奥さんと2才くらいの女の子と一緒だった。
結婚したんだ。
幸せを絵に描いたようなとは見えなかったが、其れなりの何の不足もないが適当かな。
彼は、泊まり込みの新聞配達員だった。
文字通りニワトリのコケコッコーと同時に起きて新聞配達に行く生活を繰り返していた。何年したのかは知らないが。
ある時、店主が高齢を理由に店を畳むことになり、彼は新しい道を余儀無くされた。
郵便局員を目指していたが、なかなか難しいので、介護職に就いたらしい。唯、介護の仕事の為に腰が痛むのが悩みだと言っていたそうだ。
久し振りに出会った新聞店主と立ち話をして知った。
子供の送り迎えにふと見上げたら、彼の寝泊まり部屋は電気が灯っていた。
5時前の早朝も明るかった。
彼の人生は、金の卵が15才で社会に歓迎を受けていた時代と被るような気がする。かなり時代に違いはあるが。

これから彼はどんな人生を歩むのかは未知だが、体が覚えた早寝早起き真面目な人柄が活かされる所で輝きを放って欲しい。