東京パラリンピックが閉幕した。57年振り2度目の開幕。
10代の活躍が光った五輪とは対照的に、中高年が輝きを放った。最終日に、視聴覚障害がある西島美保子さん(66)がマラソンで8位に入賞。終盤は両足がつり、何度も立ち止まったが、伴走者と声をかけ合って、42•195キロを走り抜いた。諦めず挑戦し、達成することの素晴らしさに感動した。
体を目一杯使い、動きに工夫をこらして、自らの可能性に挑む。そんなパラリンピアンたちの姿は、障害や世代、性別、国籍を超越した人間の「個」としての尊さを伝え、一人ひとりの違いを認め合うことの大切さを体現していた。
『一方で、五輪•パラリンピック開催までの曲折を振り返ったときに浮かぶのは、「多様性と調和」という大会の理念からほど遠い日本社会なありようだ。 大会組織委員会トップの女性蔑視発言と後任選びの混乱を通じて、変わらぬ男性中心社会が浮き彫りになった。過去にナチスのユダヤ人虐殺を揶揄するコントを作っていた劇作家や、障害者をいじめた経験を雑誌記事で反省する様子なく語っていた音楽家が、開花式ヤ閉会式の演出担当に選ばれていたことも明るみに出た。 新型コロナの感染が急拡大するなか、政治は大会開催による事態の悪化を心配する声に正面から向き合わず、開催をめぐる世論を大きく二分させてしまった。開催に反対する人たちの一部に、SNSでアスリートに反対表明や出場辞退を迫る筋違いな行為もあった』
皆様にとってのパラリンピックは、いかがだったでしょうか?