おやじのせなかを日曜日の朝刊で読んで、涙が溢れた。現在の自分軸になった父親の思い出を綴られていたからだ。
本日の書き手は、昨年フリーアナウンサーになられた石井亮次さん。
お父様は、2015年に他界されている。
父親の経営するガソリンスタンドで働いていたが、高校生の時に、父親の布団の上でみかんを食べてそのままにしたことで怒られたことを切っ掛けに、違う同業他社で働いたそうだ。
そして1年半後に、そのガソリンスタンドに洗車だけに訪れて「ありがとう」だけ言って帰った父親に、心で「参りました」と素直に思い、自然と話せるようになったそうだ。
彼がアナウンサーになりたいと言った時、反対されると予想していたが、お父様自身も商社マンになる夢を、英国に留学もしていたのに、お祖父様が亡くなられた為に叶えられなかったので、「子供には夢を追いかけて欲しい」と反対はなかったそう。
それには、彼のお兄様が跡取りとならたことがあるが。
お父様三回忌の法要で頂いた形見のネクタイをして出演した「ゴゴスマ」は、2年前の6倍の視聴率になったそうだ。お父様は、ニコニコとされていたのだろう。
今の彼の自分軸は、こうだ。
「バイトして働く大切さ。商売の難しさ。仕事場ではラジオが常に流れて、今の仕事につなげてくれた環境。自由にさせてくれたこと。妻を大切にすること」
そして最後の言葉でぐっときた。
「おやじは自分の軸になっていて、感謝しかありません」
今、自分軸すら分からない、持てない人が多い。
改めて、人が生きていく上で、それが如何に大切かを実感した。