今朝の朝日の「ひと」は、京都大学硬式野球部の北野嘉一さん(20)。
関西学生リーグで2000年秋以来ずっと最下位だったのを4位に。自身も打率4割5厘で、外野手の主力として首位打者になり、躍進の原動力となった。
彼は、ノーベル化学賞の受賞が決まった吉田彰さんと同じ大阪・北野高校出身の農学部3年生。
彼のしていることが凄い。他大学では裏方に任せることが多い相手投手の研究をチームメートとともに担い、10試合以上のデータを集め、カウントごとの配球を表計算アプリでグラフ化。動画も繰り返し見て、グラブの動きの癖など特徴をまとめ、成果は仲間にプレゼントして共有した。
「データは、真っ向勝負では勝つのが難しい相手と戦うための大事な武器」と、今季はこれまで以上にデータを頭に入れて打席に立った。
そして、片道1時間半近い通学の電車内でも、相手の「予習」と自らの打席を振り返る「復習」を欠かさない。その結果、ドラフト会議でオリックスから3位指名を受けた近畿大エースからも2安打。「データという根拠が、打席での迷いを消してくれました」
入学時は身長175センチで体重は70キロ程度。細かった下半身を鍛えて4キロ増量すると、打球の飛距離が伸びた。
彼の結びの言葉が、清々しい。
「目標に向かって、妥協せずに準備して臨むのは、勉強も野球も同じでした」
今迄彼は、北野高校時代も効率よく勉強をして、京都大学に合格されたのだろう。
結果の裏に、努力と「データ分析」がハッキリ見えた。