今からご紹介するのは、ある懸賞の金賞に輝いた作品です。
『一人目の息子が生まれてから、就寝前の呪文のように我が子を抱いて「君はママのたからものさん」と声をかけてきました。働きながらの子育て、少しでも大切に思っていることを子どもに伝えたかったからです。 そして子どもは一人から三人に。それでも呪文を唱え続けてきました。仕事を継続する中で管理職となり、子育てと仕事の両立に奔走し、呪文を唱えることは段々と無くなっていきました。そんな中で、仕事につまずき、何もかも手につかず、眠れない日々が続いてしまいました。
ある日、いつものように眠れずにいると私に「ママはぼくたちのたからものさん」と子どもたちが声をかけ代わる代わる抱きしめてくれたのです。子どもたちを安心させたくて伝えたはずの言葉が私自身を安心させてくれる言葉になりました。
これからもずっと口に出して伝えていきたい「わたし遺産」です。』
いかがでしたか? 流石金賞に選ばれるだけの素晴らしい作品でした。
思うのです。子どもは、育てた筈なのに、いつの間にか逆に自分を育ててくれてると。
この方は、懸命な子育てで、かけがえのないたからものさんを手に入れられた。
私からは「懸賞の金賞おめでとうございます。
これからも貴女のたからものに磨きをかけて、ご自身も益々輝き続けてください」とお伝えしたいです。