思いの丈☆宅配便

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養老孟司さんのかあさんのせなか

 養老孟司さんは、ご存知の方も多いが、解剖学者。

 養老孟司さんのお母様の名言が凄い。

一度 目にして、もう忘れない位の言葉。まるで言葉に生命が宿っているかのようなので、皆様にぜひともご紹介したい。それは、「お前には心はかけたけれど、手はかけなかった」。

実際、その通りだったようだ。

お母様は、明治生まれの医者。東京女子医学専門学校(現在の東京女子医大)を卒業し、小児科医になり、いったんは弁護士の妻として家庭に入り、兄と姉をご出産された。その後、かなり年下の父と再婚し、養老さんが生まれたそう。女性医師の草分けとして一人で小児科医院を切り盛りし、90歳まで診察されていたそうだ。

 養老さんは寂しかったのか、よく病気になったそうだが、お母様は、別の医者を呼んで、見てくれず、他の患者を見ていて看病もしてくれなかったみたいだ。理由は、自分の子は重くみるか軽くみるかどっちかになってしまうから。

 そろそろ本題に入る。今までの内容で、もう皆様はお分かりだと思うが、お母様からの言葉「お前には心はかけたけれど、手はかけなかった」

 養老さん自身の本音は、やっぱり、手をかけてほしかったそう。

でも、そのお陰で、養老さんは、好きな虫ばかり捕っていても関心を持つこともなく、存分に虫を捕れ、勉強しろとも言われなかったから、自主性が育まれて、ご自分で勉強され、東京大学の医学部に進まれた。勿論自頭が良くていらっしゃったことはあるが。

 医学部進学は、お母様の希望であった。

 養老さんは、ご自分のお母様の姿を通して、母親のあるべき姿を教えてくださっている。

「母親ってお釈迦様の手のように、息子を手の中で泳がせる。母がうるさく言うようなことはしなかった。今になって思うことは、母親は忙しい方がいい。大人の女性が幼い子どもに真正面から向かったら、子どもは押しつぶされます。子どもは自然そのものです。うるさいのも走り回るのも自然。母が園医をしていた保育園の理事を僕も務め、老朽化で移転先を探したら子どもはうるさいと断られた。子どもは自然なだけなのに。これも母から学んだことかな」

 子どもは親を選べばないが、紆余曲折はあるにせよ、後で、この母親で良かったと思える人とご縁があることが、何よりの幸せである。

 皆様は、いかがでしょうか。