今朝の天声人語に書かれた内容に驚嘆した。
神童モーツァルトの父のことが書かれていた。
モーツァルトの父は、今でいうステージパパ。
教育熱心であり、且つ、束縛過剰だったらしい。
「非凡な才能は神様がおまえに貸してくださったもの」が口癖。
宮廷副楽長の勤めを放り出し、息子が有力な宮廷で楽長の定職に就けるように手を尽くした。
そして、叱責の手紙に「おまえはのんき」「うぬぼれが強すぎる」と書いて送り続けた。その間に息子には、許しなしに結婚してしまう。
念願の宮廷作曲家の座に息子が就くのは1787年暮れ、父が亡くなって半年が過ぎていた。
天声人語の末文には、こう書いてあった。
「子離れの時期は逸している。親と子の距離感はいつの時代もむずかしいものである」
同じ親として、このお父さんには、せめて死ぬ前に、念願の職に息子が就く姿を見せてあげて欲しかった。でも、天上でこの結果を知って「非凡な才能を貸して下さった神様に、お礼申し上げなさい」と言って、喜ばれているのが目に浮かぶようだ。
私からは「お疲れ様でした」とお伝えしたい。