新年、おめでとうございます。
本年も、このブログを、どうぞよろしくお願い致します。
さて、新聞に目を通していて、じーんときた。
それは、亥の子いちばんの年男というコーナーだ。
ここに載っていたのは、歌舞伎俳優の中村橋之助さん。中村芝翫さんと三田寛子さんの長男。襲名前は、国生という名前で人気子役として活躍した。
彼が寄せた文章の中の、この一文に、彼の母の思いがよく分かり、感激した。
それは、こちら。
「支えになったのは『襲名させてもらえるのは父や先人の力。感謝して、かといって恐縮しないで前へ進みなさい』という母の言葉だ。」
三田寛子と言えば、かつてのアイドル。
たどたどしいゆっくりといた喋り方に、おっとりした雰囲気を醸し出していたが、頼りなく思えていた。
幾度となくテレビ番組で、歌舞伎役者の女将としての顔は見てきたが、母としての姿を、ご長男である橋之助さんの文章を読んで、ハッキリと分かった。
「〜恐縮しないで前に進みなさい」には、息子の不安を取り除く押しの強さと息子さん側から見た心強さが感じ取られた。
彼女は、一人の女性である前に、いい母親になった。
それは、育てた息子が、教えてくれた。
「頑張りなさい」とは伝えられても、ここまで、息子の心を見透かしての言葉は、掛けれない。
三田寛子さんと同世代で、且つ、同じ母親としては、なんとも嬉しい、新年のひと時だった。
橋之助君の抱負に、こちらまで、ほっこりした。
「生涯の目標は兄弟3人が中心となり、歌舞伎座でひと月興行できるようになることだ。『そのためにも兄弟で競い、技を磨きたい」