もう、卒業式などの別れが始まっている。
子供の心身の成長と共に、思い出が交錯していることだろう。
出会いも別れも、実は一期一会。
そのことを頭の引き出しに置いていたら、折々のことばで、こんなのを見つけた。
これも一つの出合いである。
御紹介する。
「最後にかわした言葉が心残りだった、ということにならないように」
これは、登山家の田部井淳子の言葉である。
登山家の彼女は、家族がどこかに出かけるときも、まさかの事故の時のため、その日の服装をしかと脳裏に焼き付けるようにしてきたという。
胸が詰まるが、生きることは、それだけの緊迫感があるのが分かる。
「じゃあ、またね」と手を振って別れる時に、作り笑いでなく、心からのいい顔でと決めた。